今月号の「クッキー」にて連載されていた大好きないくえみ綾さんの「潔く柔く」が最終回を迎えました。約5年に渡る長期連載です。こんなに長い連載になるとは思ってなかった。ちょっと思うところがあったので、ブロガーズキャンプの勢いで書いてみることにする。
「潔く柔く」は以前に紹介したことがあるんやけど、もう5年も経ったんやなぁ。始まりは17歳、終わりは23歳だったので、ほぼ同じ時間軸で進められていました。カンナ、ハルタ、マヤ、アサミの4人の物語からひとつひとつの別の話になり、そして最後にカンナ編で締めくくられます。紆余曲折を経てやっと完結したんやけど、毎回毎回しんどかった。特に後半のカンナ編はずっしり重くて耐えられなかった。連載を読み続けて、大切な人の死を受け入れるにはものすごい時間がかかると実感した。だからこそ最終回には納得できなかった。一生いなくなった人のことを想い続けるなんて、みんなが不幸になるのかもしれないけど、もう少しだけ考えていてほしいと思ってしまった。ただ、そう思ってしまう私は本人の苦しみを知らないだけなのでしょうか。
ハルタは本当は誰が好きだったのか、カンナは本当は誰が好きだったのか、いまとなってはもうそんなことは関係ないのかもしれない。ただ、とにかく身近にいた誰かが急にいなくなってしまうのはすごく大きな意味のあることで、いなくなってしまった人の気持ちはもう一生わからない。
作品中では死んでしまった「ハルタ」がキーパーソンになっているけど、たとえ死んじゃったわけじゃなかったとしても、何らかの理由でもう会うことができない人っているよね。むしろ全然連絡を取っていない人だったとしても、きっとどこか抜けた気持ちになるんだろう。それなら生きているうちに、そばにいるうちにちゃんと気持ちを伝えておけばいいし、悔いが残らないようにすればいい。大切に想っている人ならなおさら。でもわかっていてもなかなか難しいのよね。意地やプライドが邪魔して、本当の気持ちを伝えられなかったことが何度あったかな。これ以上嫌われたくなくて、いまの関係を崩したくなくて、たくさんの言葉を飲み込んだこともあったはず。まったく後悔しないなんてことはないし、そのときの選択は間違っていなかったと信じたいけど、あとで冷静になって考えてみると違う道もあったんじゃないかなと思い返すことだってある。私の人生の中にあったいろんな「もし」をこの作品に掘り返されまくりました。
たかがマンガ、されどマンガ、読むたびに自分の人生についてまで考えさせられた。サラッと重すぎだろ。
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