今回電車の乗り換え時間があんまりなかったので、ほとんど選ばずに平積みされていた1冊を購入。それが「赤い指」でした。東野圭吾作品でも有名な加賀恭一郎シリーズで、私もたぶん何冊か読んだことがあるはず。今回の話はかなりしんどかった……。彼の作品は基本的にはわかりやすいミステリーサスペンスなんやけど、たまにズドンと重くのしかかるストーリーなことがあるんよな。高齢化社会、少子化、ゆとり教育、モンスターペアレント、不景気などなどなど、いまの日本の問題全部入りみたいな小説。序盤でもうやめようかと思うぐらいしんどかったんやけど、どうにかこうにか読み切りました。
前原昭雄の息子・直巳が女の子を殺してしまった。昭雄の妻・八重子と話し合い、彼がとった行動は、老人性痴呆症を発症している自分の母親を犯人に仕立て上げることだった。苦肉の策とは言え、自分の親を犯人に仕立てる息子、妻は完全に息子のことしか考えていない、その息子はまるで他人事のように振る舞う。壊れていくとはこのこというように破綻していきます。またストーリーの合間に加賀刑事の父親の話も差し込まれていて、それがどんよりした雰囲気を少し和らげてくれる。親と子の繋がり方はそれぞれなんよなぁ。
序盤でかなりしんどかったし、最後に加賀刑事が真相を解くところでは悲しくて泣けた。最後は親子の絆が浮かび上がって、ジーンと心に残りました。登場人物の気持ちの移り変わりが伝わりやすかったので、おもしろいんやけど、入り込みすぎてつらい。
いろんな感情が入り交じって途中は大変なんやけど、読後感のよい作品。
講談社
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最後の最後で明らかになる悪意
何度も変わる真実
まさに「悪意」
予想外のエンディング
コメント (2)
キオスクレベルの本が多いね
投稿者: 匿名 | 2010年02月06日 11:16
>匿名さん
重ねてコメントありがとうございます。「キオスクレベル」と言う言葉を初めて聞いたので、どのレベルなのか理解できませんが、駅で買う本が多いのでたしかにキオスク本と言えるかもしれません。
投稿者: yumi | 2010年02月06日 12:25