いくえみさんの作品は、ものすごい細かいツボを押さえて描かれているので、かゆいところに手が届く感覚がある。淡々とストーリーが進んでいるように見えるんだけど、読み終わってみると結構疲れてたり、いろいろと思うことがあったりと、登場人物の気持ちが読み手まできちんと浸透している。
カズンは主人公に対してプラスの人とマイナスの人が明白すぎて、登場人物の好き嫌いがはっきりしやすいと思う。この人が出てきたらプラス、この人はマイナス、という感じでわかりやすい。ストーリー的には、『バラ色の明日6巻』のキスミークイックをもう少し引き伸ばした感じなのかな。全然内容は違うけど、外見は似ていて、恋する女の子ががんばっちゃうお話。
うまく表現できなくてもどかしかったんやけど、あひるさんがまとめてくれてる!
いくえみ綾『カズン』と安野モヨコ『脂肪という名の服を着て』:あひるちゃんがいく
何だろうなあ。。性善説と性悪説か、ちょっと違うかもしれないけど。狩猟民族の歴史と農耕民族の日記というか。安野モヨコといくえみ綾の間には、そんな違いがあるのかもしれないなあ、と、『カズン』と『脂肪という名の服を着て』についてあれこれ考えてみて思いました。
私も安野モヨコさんの作品と共通する部分を感じていて、でもなんかちょっと印象が違ったの。極端な話、いくえみさんは光、安野さんは影。でも、もちろん片方だけだったら、光も影も存在しないし両方が共存してバランスを取っているんだと思う。
しかも、いくえみさんの作品は基本的にハッピーエンドで終わらせてくれる。そうじゃなかったとしても、最後にきちんと光を射しこんでくれるので、気持ちよく読み終われるのよね。
カズンに関しては、主人公の周りに優しい人やいい人が多くて、脇役がすごくいい味を出している。「うまくいかないことがあってもがんばればいいことあるんじゃない?」って思える作品。Zipperで連載しているときから読んでいたけど、連載で読んでは「痩せなきゃ!」、単行本が出て読んでは「痩せなきゃ!」と確実にダイエットへと導いてくれるw
実際にやるかどうかは別にして
女の子のマンガなんだけど、オトナの女性にもオススメ。やっぱいくえみさん最高です。
祥伝社 (2006/08/23)
やっぱいい
面白い!!!!
コメント (2)
リンクありがとうです〜。
>『バラ色の明日6巻』のキスミークイックをもう少し引き伸ばした感じなのかな。
ああ!ほんとだ!!あの話大好きだったのよね〜ほんとだほんとだ、近い。
>カズンは主人公に対してプラスの人とマイナスの人が明白すぎて、
>登場人物の好き嫌いがはっきりしやすいと思う。
うんうん。また、マイナスの人もマイナスなだけじゃないところが好きだなあと思いました。リバウンドから立ち直るきっかけとか、ふんばりを与えてもらってるしね。
マイナスがマイナスのまま終わってしまって、いくえみの中では珍しく読後感が今イチだったのは短編集『プレゼント』に載ってた話。あ、そういえばあれも「昔地味だった同級生が美人に豹変してて、近づいてくるんだけど。。」というちょっと『カズン』に似たプロットだったな。
表題作『プレゼント』はもうとんでもなく良い話だった!
投稿者: あひる | 2007年09月13日 19:13
>あひるさん
>短編集『プレゼント』に載ってた話。
『あなたにききたい』かな?整形した同級生が登場するお話。あの辺の時期って最後にドンってパンチを食らうような話が多かった気がします。
最近はなぜか明るい感じ。でも切ない。『潔く柔く』はどうなっていくのか楽しみですね。
投稿者: misaki | 2007年10月03日 12:13