私のお友達に器用貧乏というか、何でもだいたい器用にこなすのに、生き方が不器用な人がいます。彼の名前はHERO。HEROは当時フリーでヘアメイクのお仕事をしていて、元々写真を撮ることをしていました。ヘアメイクの経験を積むために手を動かして勉強したいということで、撮影に参加してくれるようになりました。最初の出逢いは共通の友人がいたことからやったな。すでに懐かしいけど。
Photo&Hair make by HERO
HEROと知り合うまでセルフメイクで撮影をしていたので、メイクさんが入ってくれると本格的な撮影ができて大助かり。撮影のたびに会っていたので、多いときは毎週末ぐらいの勢いやった。
メイクができるという彼の能力ももちろんですが、人当たりがよく何でもだいたい器用にこなすので、ヘアメイクとしてではなく、友人としてもたくさんの話をしました。ありがたいことに、私の周りには基本的に優しくて、居心地のいい人が多いの。本当にありがとね。
最近はあまり撮影をしなくなって、彼に会う機会も減ってしまったんやけど、先日久々に彼に誘われてホームパーティに参加しました。彼の仲間たちなので、私は初対面の人ばっかり。でも、笑いの絶えないとても楽しいパーティやった。
帰り道、渋谷で分かれることになり、当たり前のように東横線の改札まで送ってくれる。こういう何気ない優しさに心が温まるんよな。「今日はありがとう、またね」と私が改札を通ってから、一度振り返ります。これはHEROだからやること。彼は私がみえなくなるまで見送ってくれます。振り返ってもう一度手を振って、歩き出したあとも彼は私のことを見送ってくれている。そして、私が見えなくなったら自分の行き先に歩き出す、そういう人。彼の視線に見送られながら、私は東横線の階段を駆け上がった。
パーティのときもさんざんお友達に、優しい一面を見て「どうして彼女ができないのか」、HEROお手製のアップルパイを食べて「だから彼女ができないんだ」と言われて、「もう言われ慣れている」という表情で聞き流しとった。そこら辺の女の子よりも料理が上手だったり、美容について詳しかったりする彼。たしかに、できすぎてて気が引けてしまう部分も多いけど、そういうところが魅力やと思うんやよなぁ。
彼の深い優しさに何度も助けられたし、メールや電話で元気をもらったりした。心からのありがとう。そして、これからもよろしくね。
HEROに初めて撮影してもらったときの写真。これから、できるだけ近いうちに彼の柔らかい、温かい視線に気づいてくれる人ができるといいな。幸せになってな。
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