最近知り合った舞台好きなお友だちに誘ってもらって大人計画の舞台を観劇しました。いままでずっと観たいと思っとったのに、なかなか縁がなかったんよな。
▼ウーマンリブVOL.12「SADSONG FOR UGLY DAUGHTER」
演出を手がけている宮藤官九郎さんのコメントをご紹介。
前回から2年半も空いちゃいました。なにがウーマンリブなのか正直分からなくなっています。そしてこの顔ぶれ。分からないなりに、なにか得体の知れない問題作が生まれそう。「人はどこまで分かりあえるのか」
そんなシンプルなテーマで、ちょっとやってみます
いつもはいちおうネタバレ注意のために続きを読むにしているぐらいなのですが、今回はネタバレ全開なので、ご注意ください。
老舗菓子屋「光月堂」を舞台にして「家族」をキーワードにしてストーリーが進みます。5年間家を出たっきり音信不通だった翠(宮崎あおい)がフィアンセのチャーリーこと犬吠(岩松了)を連れて帰ってくる。なぜかマネージャー・小堀(少路勇介)も一緒に。
それを待ちわびながらあたふたしている父・タツオ(松尾スズキ)と後妻・志乃(宍戸美和公)。2階にはシノの連れ子・ふとし(矢本悠馬)が引きこもり真っ盛り。1階はソワソワ落ち着かず、2階があるふとしの部屋には未来からやってきたボイジャー(荒川良々)がやってきて、2年後には世界人口の80%が死ぬと告げてんやわんや。
始終てんやわんやな感じやったけど、場面の切り替わりで入る音楽がすごくよくて、いいスパイスになっていました。「音楽:向井秀徳」と書かれていたのに気がついてなるほどと納得。素敵だった。テンポのいい台詞の掛け合いと流れるようなストーリーで、わかりづらいかもしれんけど「生ドラマ」を見ているような感覚。
結局なんだったの? という疑問はたくさん残ります。
ボイジャーは何のためにやってきたのか? どうしてけん坊は弟にさまざまな手段で暴力をふるっていたのか? 2年後に起こる戦争ってなんなの? 光月堂の未来は?
テーマの答えはラストの犬吠さんが言ったセリフ「友だちの娘さんが刺されました」になるのかな。初めてなので、判断つきづらいけど「珍しく」ダウナーな舞台だったような雰囲気がしました。
私が一番心に残ったのはボイジャーがふとしに言った台詞。
「人はみんな敵か味方のどっちかだと思ってるだろ? 本当はみんなどっちでもないんだよ。そんな風に分けられるようなもんじゃないんだよ。でも、お前みたいなバカがなんかの拍子に権力を持っちゃって、そういう奴がみんなを敵と味方のふたつに分けるんだ。そんな敵でも味方でもない人たちを無理矢理敵と味方に分けて戦わせるのが戦争なんだ」
正確ではありませんが、こんな感じのことを殺気だったボイジャーが詰め寄ります。基本的に笑いの絶えない舞台やったやけど、ちょこちょことシリアスなシーンが入っていて、引き締められていました。
おもしろかったし、嫌いじゃないテイストの演出なんやけど、後半がかなり急ぎ足になってしまったかなという印象。お友だちの話によるといつもはもっと長いらしいので、今回がいつもよりも短い仕上がりやったみたい。とくにテンポがよくてアドリブっぽい演技が多い芝居だと短く感じるので、余計に物足りなかったのかもしれやんな。
実はライトな感じが漂うクドカンの作品って嫌いじゃないけど、好きじゃない。ドラマや映画でもそう思っとったんやけど、やっぱりどうしてもクセになる。何だかんだで好きなんだろうなと実感しました。
お誘いどうもありがとう。またぜひ連れてってくださいな☆
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