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「アウトレイジ」、ヤクザの世界もしがらみだらけ

映画「アウトレイジ」を観ました。実はあんまり気が進みませんでした。ダークで救いようがなくて落ち込みまくる映画が大好きなのね。でも、そういう映画って無意味に驚かせる演出が多いので「アウトレイジ」もその流れなのかなぁと思っていました。でも、おもしろそうだし、小日向文世と注目しているARATAに期待して、行ってみました。

ドキドキしっぱなしの90分ですごくおもしろかった! 「アウトレイジ」は「全員悪人」がキーワードだったので、どんな悪人ばかりが出てくるのかと楽しみにしてました。

大きく分けて山王会本家、その傘下池本組、大友組の3つの勢力があります。ただ本家に属している2つの組は、完全に従属しているわけではありません。均衡を保っていた3つの勢力がちょっとしたトラブルをきっかけに、大抗争に発展。最初は些細ないさかいだったのに、なんでこんなことに……。小さな組みが潰し合っても仕方ないので、うまいこと収束しようとするのに、山王会組長の関内(北村総一朗)がたびたび「杯をかわす」と甘い言葉を吹きかけて、翻弄するの。魔性の女ならぬ、魔性の男。だから、無駄死に、無駄金が多くて、もどかしい気持ちにもなりました。やったらやり返して、落とし前をつけてつけ返して、その間に人やお金や地位が動きまくって、それでも足りなくて、最後には大戦争ととことんドロドロ。でもものすごく人間くさくて「ヤクザの世界も大変なんやなぁ」としみじみ感じた。

期待通り、かっこいい悪人、かっこつけの悪人、頭脳派の悪人、暴力的な悪人、正義ヅラした悪人と悪人オンパレード。実力派の俳優ばかりが出ているので、演技については申し分なかった。だからこそ、迫力がありすぎて、怖ろしかった。善人キャラよりも悪人キャラのが好きな小日向文世は相変わらずの演技、今回はズル賢い悪人の役でした。久しぶりの中野秀雄は「愛という名のもとに」のイメージが強かったけど、すっかり渋い俳優になっていて、ビックリした。もっと露出してほしいなぁ。どんでん返しのキーパーソンとして登場することの多い三浦友和は今回もどんでん返してくれました。もう1回ぐらいひっくり返してくれもよかったのになぁと思ったけど、それはワガママやったかな。

暴力シーンが過激すぎて目を背けたみたいな話を聞いていたので、心配やったけど、覚悟していけばちゃんと観られたよ。そうは言っても体力を使う映画なので、元気なときに観に行くことをオススメします。

ヤクザの世界ってバカみたいに仁義を貫いて死んでいくイメージやったけど、実際はそんなことはなくて、しがらみだってあるし、頭を使って、お金を使って、いろんな根回しをしてのし上がっていく世界だということを知りました。

息つく間もなく集中しっぱなしでした。北野武映画は「DOOLS」「座頭市」ぐらいしか観たことがなかったので、これを機会にほかの作品も観てみようかな。

今、63歳
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北野 武
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