« GET Navi3月号にひっそり掲載されました | メイン | ままごとトントン »

映画「サヨナライツカ」観た、感情移入しすぎてグッタリ

最近いまさら映画ブームでよく映画館に行ってます。今回観たのは「サヨナライツカ」。辻仁成の小説を映画化、12年ぶりに中山美穂が主演したラブストーリーです。恋愛映画はいろいろ「わかっとる!」な状況になるので、避けとったんやけどCMで気になっちゃったんやよな。Twitterでひっそりつぶやいてみたら、あやぼさんが手を挙げてくれたので、ウキウキ鑑賞しました。

25年に渡る長い長いラブストーリー。1975年、航空会社のエリート社員・豊(西島秀俊)は婚約者の光子(石田ゆり子)を東京に残し、バンコク支社に赴任した。そこで妖艶な美女、沓子(中山美穂)と出会う。2人はお互いに惹かれ合い、恋に落ちる。しかし、光子との結婚はもう決まったこと。豊は日本に帰り光子と結婚し、家庭を築く。しかし、沓子への想いは消えていなかった。25年の歳月を経て、沓子とタイで再会し、気持ちを再確認する。一度は日本に帰るものの、どうしても沓子のことを忘れられず、タイヘ行くことを決める。光子は25年間、豊の気持ちに気づきつつ、彼を支えてきた。空港で彼女が書き上げた「サヨナライツカ」という小説を渡す。

その小説の最後の台詞「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトとにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す」がこのストーリーのテーマとなる。

豊のダメっぷり、沓子の自由奔放さ、光子のけなげさ、すべてに胸を打たれた。豊がはっきりしなくて、結局2人とも傷つけてしまうんやけど、もはや自分で抜け出せないんだろうなぁ。そしてそういうダメな男に惹かれてしまう女がいることは、私も含め痛感してます。ちなみに私が一番共感した登場人物は豊でした。

25年という長い時間の流れを2時間弱にまとめてあるので、どうしても急ぎ足で、いきなり近未来的な映像が入ったり、カメラワークがグルグル回って酔ってしまったり、構成はかなりグダグダ……。ラブストーリーなのに家族や会社の話がちょこちょこ挟まってきて、統一感もなかった。自由奔放でこんな風に生きられたら……と憧れる沓子が豊にすがりつくようにして別れるシーンではちょっと興醒めたし、光子が豊の気持ちに気づいていながらも添い遂げるところがあんまり描かれていなくて、彼女の壮絶な想いをもう少し前に出してあげてもいいんじゃないかと思った。でもそれも含めてリアルな感じがしてそれはそれでよかったのかもとも。現実によくある話ではないけど、いい思い出のままバイバイなんてことはないもの。いろんな人に感情移入して、登場人物たちに共感。きっと原作が素晴らしいからなんだろうな。まるで自分が恋愛している気持ちになれる映画でした。次の日まで引きずってしんどかったけど、それだけ響いたってことなんやろう。

私はこんな感じで穴を見つけつつも「おもしろかった!」と感じられたけど、ちょうど前日に観に行ったお友達は「DVD旧作で100円レベル」と酷評してました。感想は人それぞれ。決して純愛ではないので、ある程度覚悟して観に行くことをおすすめします。

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)
辻 仁成
幻冬舎
売り上げランキング: 52
おすすめ度の平均: 4.0
3 冒頭の詩に共感できるかどうか
1 気持ちわるい
2 映画化だそうで、読んでみました
5 恋愛の本能を描いている作品
1 せつなさ炸裂!

トラックバック

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 映画「サヨナライツカ」観た、感情移入しすぎてグッタリ:

» 映画<サヨナライツカ> 送信元 美味−BIMI−
いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない 孤独はもっとも裏切ることのない 友人の一人だと思うほうがよい 愛に怯える前に傘を買っておく必要があ... [詳しくはこちら]

Archive

Category

Comment


あわせて読みたい


フィードメーター - yumiking Diary:ピヨピヨtrack feed