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号泣する準備はできていた(江國香織)

号泣する準備はできていた

久しぶりに読み返した江國さんの短編集。直木賞受賞作です。

ちょっとだけ読んで寝ようと思っていたのに、一気に読んじゃった。江國さんっぽさ全開の小説です。短編集なので、1つ1つストーリーは違うんやけど、終わりに近づくほどに感情の動き方が大きくなっていく感じ。

12話あるストーリーの中で、私が気になったのは「溝」と「手」、そして「熱帯夜」「号泣する準備はできていた」「そこなう」。5つもあった。意外におもしろかったみたい。

「溝」で志保が夫である裕樹に「知ってた?」と聞き続けるところでいろんな気持ちを感じられたし、「手」で「予期せぬことにわずらわされちゃったわよ」という台詞に微笑んだし、「号泣する準備はできていた」で隆志と自分について「あんなふうにらくらくとするすると、しかもぴったり重なり組み合わさるなんて」って表現しているのが好きだし、「熱帯夜」で千花が「人生は恋愛の敵よ」っていうシーンで彼女の愛情の深さ知ったし、「そこなう」で新村さんが「みちる」って呼ぶたびにドキドキした。

短いストーリーで、強い主張を表現しているわけでもない。それなのにこんなに胸を打たれました。平坦な言葉の中に強い感情が見え隠れする、そしてたまにブワッと溢れる、まるで人間の心が詰まっているよう。久しぶりに読み返してまた江國香織さんの魅力に気づかされました。

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