感想はとにかくすごいの一言に尽きると思う。どんどん作品の世界に引き込まれていって、一気に読んでしまった。ドラマでは控えめな表現にしないといけないときもあるんやろうけど、小説ではそういうところがすべて表現されとるんやよな。堰き止められているものがなくなった状態っていうのかな、もちろんドラマもおもしろいんやけど、小説の方がファン好みな仕上がり。
「究極の愛の形」がテーマ。アンをリーダーとする集団が行う数々の行為とアンの仲間のキャトルが逮捕されてから受けるカウンセリングの様子の2部構成で進んでいきます。アンとキャトルが出てきたので想像できるかと思うけど、アン、ドゥ、トロワ、キャトル、サンクの5人が登場します。そのほかの主要な登場人物は、目が見えない少女ララ、精神科医の保科カオル、アンたちを捕まえようとする刑事柳井で、彼らの主観が交錯する。登場人物全員がストーリーテラーになるので、かなり難解。でも、キャラクターを把握するにはこういう小説の書き方が有効なのかもしれないな。
最後の部分は結局どこまでが真実でどこまでが妄想やったのか私には判断できやんかった。どことどこが重なっているのか何度か読み返したけど明快な答えは見つけられなかった。読み返すうちに「もしかして答えがあるわけじゃないのかも」という気持ちになって少しすっきりした。
彼の作品が好きな人なら大満足できると思う。「スコットランドヤード・ゲーム」「スヌスムムリクの恋人」 も読んでみたいな。
小学館
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いずれドラマ化
伸司くん、以上でも以下でもなく。
暖かい物語
スヌスムムリクと言う名前
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