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劇団☆新感線2014年春興行 いのうえ歌舞伎「蒼の乱」

超久々に劇団☆新幹線の舞台を観ました。初めての新感線以来でそれが、2009年やったみたい。いのうえ歌舞伎・壊「蜉蝣峠」以来で偶然にも今回もいのうえ歌舞伎となりました。

いのうえ歌舞伎「蒼の乱」

都では中央集権の政のもとに朝廷では貴族たちが贅沢三昧にくらし、地方の民たちには税が重く課され貧しい暮らしを強いられていた。不満のたまる地方の民たちは小さな叛乱を起こしては貴族によって封じられていた。

あるとき、左大臣の屋敷で国の行く末を占っていた渡来衆の一団が、国家大乱の卦を出したことを口実に武士たちに襲われた。窮地に追い込まれた彼らの長である蒼真(天海祐希)と蒼真の親友、桔梗(高田聖子)は、坂東から京に出てきていた将門小次郎(松山ケンイチ)に救われる。

蒼真と小次郎の運命の出会いである。二人はその運命に導かれ夫婦となり、小次郎の故郷・坂東の地を目指し都を後にする……。

なんやかんやと縁がない劇団☆新感線の舞台なんやけど、今回の決め手は松山ケンイチが出演とのことで、えいやっとチケットをゲット。先着販売でチケットを購入、その際B席しか残ってなかったので今回は3階席でした。思ったより高さがあって怖かった。

第1幕100分、休憩20分、第2幕110分という超大作。最近上映時間が長い舞台が多かったので平気かなと思っとったけど、こんなに長いなんて……。事前情報をいただいたのでおやつの準備をしていざシアターオーブヘ! シアターオーブでの観劇は初やったけどさすが新しい会場、音響はもちろん会場の形もよくできていて、すごくよかったので、今度また演目も観に行きたいな。遠かったけど正面の席だったのでそれなりに楽しめました。

平将門の乱と藤原純友の乱をベースにしたストーリー。将門小次郎(松山ケンイチ)は平将門のこと、伊予純友(粟根まこと)は藤原純友のこと、2人が起こした乱をあわせて「承平天慶の乱」と呼ばれています。そこに主人公の蒼真(天海祐希)が登場し、物語が進みます。実際にあった歴史上の事件を混ぜ込んだフィクション。日の本の国(ひのもとのくに)は日本のことなんだろうなぁとか松山ケンイチが演じる将門小次郎は平将門と佐々木小次郎を混ぜたのかなとか伊予純友は藤原純友というように、歴史が好きな人はより楽しめる内容でした。

平安時代の日本を舞台に蒼真と小次郎のラブストーリー、純友と蒼真の絆、登場人物たちのいろいろな思惑がかけめぐります。

天海祐希は別格でした。主役ということで、存在感があるのはもちろん、舞台映えなんて言葉では片付けられない、存在感。ドラマではあまり見られない歌やダンスも素敵でした。新感線の舞台は五右衛門ロックじゃなくても歌や踊りが入るところがおもしろいところ。ラストシーンは人間とは思えないほど幻想的で二次元並みの美しさでした。

お目当てのケンイチくんはというと、正直なところ彼には荷が重すぎたんじゃないやろうか。がんばっていたとは思うの。たぶん舞台好きっぽいし、彼自身に残っている東北なまりも坂東(いまの茨城)出身という設定のおかげで納得できたんやけど、歌はなし、ダンスは微妙にたどたどしいステップがあったのみで、見せ場があんまりなかった。殺陣もキレが悪いというか腰が入っていないというか、鈍臭さが際立って泣ける。

舞台は派手な衣装も見どころなんやけど、第二幕の1番の見せ場に真っ赤な鼓笛隊風の衣装! 似合ってない><そして結っていた髪をほどいてしまい、カムイ外伝の二の舞かとハラハラしたよ。そもそも彼は現代の物語のアンニュイでモラトリアムな若者役が似合うんやと思うの。彼のことは大好きで映画や舞台をいろいろ観てきたけど、時代背景が現代じゃない物語は正直厳しいと思う。

「私、彼のどこが好きなんやろうか」って自問自答してしまう始末。最近はもはやそれが萌えポイントなのでは? と考えるようになりました。ここまで酷評になっとるけど、基本的には大好きなので、どんな形であれ、彼が選んで進む道を応援しようと思ってます。これだけは揺るぎません、キッパリ!

さて、話を戻して、盗賊 帳の夜叉丸(早乙女太一)はヒーローなんじゃないかというぐらいかっこよかった。身軽な殺陣、ちょっと憂いのある役やったせいもあったけど、かっこよくて腰が砕ける人たち続出なのではないかしら。早乙女太一くんにはとくに注目してなかったし、スキャンダラスな印象やったけど、いい役どころでした。

将門の相棒、黒馬鬼(橋本じゅん)は馬なのね。馬やよ? しかもわりと重要な役を担っていて、でもずっと馬なの。違和感ありまくりやよ! しかもまさかの騎馬隊の出現! この馬の作りってアリなのか!? と妙に納得したよ、違和感は残ったけど。

いろいろツッコミどころ満載やったけど、総じておもしろかった。長時間の舞台やったけど、そんなことを感じさせないぐらい集中して楽しめました。今回は舞台から遠い席やって、上から眺める形やったんやけど、上からでもきちんと美しい演出になっていて、改めて感動しました。たしかに舞台装置の切り替えが見えたり、立体的な勢いがなかったりなどのポイントはあったけど、新しい発見があってそれはそれでよかった。

そしてエンターテインメントとして劇団☆新感線の完成度は非常に高くて、大満足でした。いつもチケット販売が2~3か月前で取り損ねとったけど、これからは積極的に観に行きたいな。

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