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NODA・MAP「パイパー」

今年もはずせないNODA・MAP! 今年はチケットをゲットできなくて焦っとったんやけど、たまたまお友達から譲ってもらえることになって、ちばめと一緒に行ってきました。宮沢りえさん、松たか子さんのダブル主演で期待度大の「パイパー」!

宮沢りえさん、松たか子さんの演技は以前のNODA・MAPで観たことがあったんやけど、正直演技力がついていっていない気がして、今回はどうなるのか不安やった。とくに宮沢りえさんの演技はちょっと……やったんよな。そもそも野田さんの脚本はとても難解で、役者はもちろん観劇する方もかなり疲れる。今回はどんなお話になるのかストーリーについていけるように気合いを入れて向かいました。

その気合いとは裏腹にかなりわかりやすい内容でビックリした。タイトルの「パイパー」は全身がパイプでできた人の不幸を吸い込むロボットの名前やった。パイプやからパイパーってすごくわかりやすい。ほかにも一緒に行ったちばめが笑っていたのが「火星が赤で、金星が黄色ってわかりやすすぎじゃない?w」って。たしかにw

過去と未来が交錯する舞台によるある流れで、地球から何人かの希望者が火星に移り住むところがスタート。その後900年近く経った火星が「いま」。いまの火星はもうボロボロで植物は育たないし、地球人が住めるような環境じゃない。地球がどうなっているのかは描かれてなかったけど、火星は地球に見捨てられてしまったん。何となく現実の「不景気」や「格差」とかぶってシャレになってない感じがした。そして野田さんのダークなオチが怖くて、中盤からは希望を見いだそうと必死でした。

移り住んだ直後の火星では幸せの大きさが数字で表されとったん。大きな電光掲示板に数字が表示されていて、たとえば作物の芽が出たら数字が増えて、嵐がきたら数字が減るみたいな感じ。火星人は鎖骨に自分の人生を刻む小さな石が埋め込まれていて、その歴史をいまを生きる火星人がたどっていく。そしてだんだん先祖の過去、火星の過去が暴かれていくというストーリー。この上ない最悪の結果になるかと思ったんやけど、珍しく未来に向かうことができそうな結末で、心から安心した。

主な登場人物は、宮沢りえさん、松たか子さん、橋爪功さん、大倉孝二さんの4人。最初に心配していた女優2人の演技は想像以上に完成されていて、不安なんて一瞬で吹っ飛んだ。すごくおこがましいんやけど、違う演出家の舞台ならまだしも、同じ演出家の舞台で演技を観ているので、成長を見守っている気持ちになったよ。橋爪さんの演技は2回目なんやけど、相変わらず素晴らしい。パントマイムのところは殺気立った空気まで伝わってきて怖くて泣けた。

愛とか幸福とかそういう物って、決して数字では表せないんやけど、数字で表すことで人は安心を得られる。頭の良さをはかるIQ、テレビのおもしろさとはかる視聴率、体のバランスをはかるBMI。でも結局それは参考にしかならなくて絶対の数値ではないんよな。

「タブーを犯そうとする右手を抑える左手」この言葉は胸に突き刺さった。自分の行為は自分にしか止められないということなんやろうな。

毎年絶対期待を裏切らない「NODA・MAP」、今年も大満足でした。

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