最初は「西遊記」になぞらえて始まるんやけど、だんだんだんだん話が枝分かれしていって結局最後は昭和ぐらいまで転生を繰り返したんじゃないかなぁ。「月のうさぎ」や「戦国時代」など日本の逸話や歴史も盛り込まれていて、興味深かったなぁ。八嶋さんの沙悟浄はハマり役すぎ!
カムカムミニキーナの舞台はかなり独特でアドリブがかなり多いの。出演者のノリと観客に合わせて舞台の雰囲気がものすごく変化する。でも今回はどちらかというと脚本に忠実やったかも。ただ、何度も時代を飛び越えるので、ストーリーが入り組みすぎてついていくのが大変でした。
今回の主人公は沙悟浄になるんかな。沙悟浄は三蔵法師をうっかり(うっかりってどういうこと!?)死なせてしまったことを何度転生を繰り返しても忘れない。そして、次の時代で三蔵法師と会えること願いながら生きていく。彼は不老不死の身なのでたくさんの死を見せつけられながら自分1人が残される寂しさや儚さを体験する。
西遊記のイメージでは沙悟浄ってずる賢いイメージ(ドラえもんで言うとスネ夫)やと思っとったんやけど、ひたすらに三蔵法師を求めて生きていくところに胸を打たれた。誰しも「死にたくない」と思っているけど「絶対死ねない」状態になるとそれはそれで生きにくくなってしまう。「絶対手に入らないものだから求めてしまう」という真理を表現していたのかもしれないな。
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